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ペーパークラフトで伝える物語 Skoda - Curriculum Vitae

チェコの自動車会社Skoda社のコーポレートムービーです。 ”Curriculum Vitae”はスペイン語で「履歴書」。 就職活動をする青年の将来のビジョンが、ペーパークラフトというコンセプトを軸に しっかりと描かれています。

できあがった 履歴書を見直す青年。 物語の主人公です。

履歴書にサインをすると・・

パタパタと紙が折り重なり、紙の世界観へと転換します。

部屋を出た青年は自転車に乗り、 夜明けの町へと繰り出します。




朝日を模した背景。 シュコダ製の車に視線を送る主人公。 紙の演出ですが、実写のような滑らかなアニメーションです。

工場のような建物に入り、プレス機に鉄板を設置。 このカットで、紙の世界観が入社後の世界であることが分かります。

KOWLEDGE AND SKILLS:(知識とスキル) この主人公は工業系の学生なのでしょうか。 はっきりと説明せず、視聴者の想像力に任せる粋な演出。



加工された資材は、自動車のパーツでした。 整然と並んだ車を操作する主人公。 シームレスでなめらかなカメラワークが素敵です。

一台の車が走り出し、工場から暗闇へと向かいます。

車を運転している主人公。 自動車がトランスフォームし、場面が切り替わります。 主人公は船の甲板に立っていて、どこかへ向かいます。 夜から朝への演出からは希望を感じます。

朝焼けの中をカメラが俯瞰で進んでいきます。 所々に映りこむ車と、リアリティを感じさせるライティング。

世界各地の拠点のカット。 紙で組み立てられていくタージマハル。 くみ上げられては折りたたまれる動きが面白いです。



工場で作られた車が海を渡り、世界中の人々に使われていることが分かります。

カメラが引くと、机の前で考える人々のカット。 世界展開プロモーションの打ち合わせでしょうか。 活躍する主人公の姿も見えます。

机上の車へとカメラが寄ると、中から主人公が出てきます。 プレス発表のようなストロボの演出。 脚光を浴び、ポジティブな印象をうけるカットです。

書類が一気にまとめられると、面接官らしき女性の手元に”履歴書”の文字が見えます。 紙の世界観は、履歴書の中に描かれた物語だったということが分かります。 そして笑顔を見せる主人公。ハッピーエンドで幕を閉じます。

企業のコーポレートムービーですが、 ナレーションやテロップなどの直接的な描写は避け、主人公のドラマから視聴者の想像力を掻き立てる構成が面白いです。 企業的な要素をエッセンスとして残しつつ、誰もが共感できる人間的なストーリーからは、

ポジティブな親近感を覚えることができます。 コーポレートムービーというとお堅いイメージがありますが、人の記憶に残す・印象付けるということが目的であれば、共感からのアプローチもひとつの方法かもしれません。

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