レトロで不思議な世界観。Little Things
昔の映画のような音楽に合わせて織り成す小さな美しい世界です。
まずはカメラが低めの位置から、静かに光が差し込む部屋の中をゆっくり進んでいきます。
ドアが開くと机の上にフクロウの置物が。
怪しげな音楽がこれから始まる不思議な世界へ観客を誘っていくようです。
カメラはそのままフクロウの顔に寄っていき、フクロウはフェードアウトしてタイトルへ。
タイトルが消えると小さな部屋が現れ、カメラはどんどん進行して行きます。
この辺りから男声ボーカルが歌い出します。
ゆるやかな音楽とともに宇宙のような空間を漂い、
花束を横切って鏡のある部屋へ。
カメラの動きに合わせてライトやオブジェクトもアニメーションします。
鏡の表面の汚れなど、細部まで非常にこだわって作られていることが分かります。
先程の暗いライトから一転して今度は明るい部屋でカエルが寝そべっています。上から降り注ぐ花びらが印象的です。
楽器の部屋を通り抜け、カメラはどんどん進んで行きます。
水上を滑るように進んでいくと、階段が現れます。
少しノイズが加えられた映像と柔らかいライティングで懐かしい印象です。
そのまま階段を上っていくと、序盤に机の上にあったのとは色違いのフクロウが現れます。
音楽とともにカメラも止まります。
全体的にレイアウトが洗練されていて、視線の誘導が上手く施されています。
画の彩度が抑えられていることや、音楽に合わせ進んでいくカメラワークから全体的にゆったりと落ち着いた雰囲気になっています。古い映画の一幕のような、懐かしく柔らかい印象の映像です。